男爵いも(北海道北見市端野町)

端野町との出会い

1990年、コロッケに適している男爵いもを全国各地に探し求めて、北海道北見市端野町の男爵いもに辿り着きました。昼夜の寒暖差が大きく雨が少ない端野町は男爵いもの栽培に適しており、デンプン価が高く、ホクホクした食感はまさに当社が求めていたものでした。
そして端野町の生産者が、日本の農業の未来をしっかり見据え、良い作物を育てたいという熱心な思いを持っていたことも取引の大きなきっかけでした。

(左:生産者、右:当社代表取締役会長兼社長の岩田弘三)

年間調達への道のり

当初から、端野町の男爵いもを一年中使いたいと考えていましたが、8~9月頃に収穫したいもは、倉庫に保管しているだけでは発芽してしまうため、5月上旬頃までしか流通しません。そこで出荷が終了する春先から夏まで、当社の工場がある静岡で冷蔵保管していたことがありました。しかし発芽や品質低下など試行錯誤を繰り返していました。

1994年、JAきたみらい(当時のJA端野)の担当者様に春先以降の貯蔵方法を相談し、保管場所を端野町へ戻すことにしました。ここから産地との取り組みが始まったのです。
まず、倉庫内の温度をさらに下げることで発芽を防ぐことができました。しかし低温による乾燥で芋の表面にシワが寄るなど、品質が安定しませんでした。そこで提案されたのが、積雪の多い地域に見られる“雪室”を応用する方法でした。

※写真はイメージ

“雪中備蓄 ” とは?

産地の方々との試行錯誤の末、1997年2月、雪を詰めたコンテナを積み上げ、倉庫の壁を囲う大型試験を開始しました。
温度と湿度のコントロールに苦労しながらノウハウを蓄積、徐々に雪を融かしながら、倉庫内の湿度を95%に保つと、いもの品質が維持できることが分かりました。こうして“雪中備蓄”という貯蔵方法が完成。これにより、品質の良い男爵いもが年間調達できるようになりました。
さらに雪中備蓄で保存したいもは、寒さで凍りつかないようデンプンを糖化させるため、甘みが増し、味わいの変化を楽しむこともできます。

環境、安心・安全への取り組み

○「茎葉処理」で土と作物にも思いやり

耕作面積が広大な北海道では、薬剤を使って茎や葉を枯らした後に、いもを掘り出す手法が一般的でしたが、JAきたみらい端野支所馬鈴薯部会の生産者様では、薬剤をまかず、茎葉処理機で茎と葉を刈り取ってから収穫しています。手間はかかりますが、残留農薬の心配もなく、また健康的な土壌が保たれ、環境への負荷を減らすことができます。当社から茎葉処理機を寄贈するなど産地への理解を促し、より安全な男爵いもをお客様に届けたいとの思いで始めた取り組みは、JA帯広大正様にも広がり、メークイン栽培にも使用されています。

○ 繰り返し使える「専用コンテナ」

“雪中備蓄”を始めた当初は、静岡ファクトリーへの輸送に段ボールを使用していました。通気性の良くない段ボールは、湿気を含み、カビの発生や品質低下の原因になっていました。またファクトリーでは大量の段ボールゴミが出てしまうことも問題でした。
1999年、環境への配慮と通気性を考慮したコンテナ輸送に切り替え、空になったコンテナは産地に返却し再利用。段ボールの使用量削減と品質の維持に繋がっています。

※写真はイメージ

○ 環境にも貢献している「雪中備蓄」

品質の良い男爵いもの年間調達を可能にしたのが、毎年2月下旬から雪をコンテナに詰めて倉庫内の温度と湿度を最適な状態に保つ“雪中備蓄”です。
自然の力を利用するこの貯蔵法は、電力を節約し、環境にも貢献しています。

産地との相互理解のために

○ ファクトリー・店舗視察

年1回、生産者の方々が、当社のファクトリーと店舗を視察し、自らが育てた男爵いものの加工・販売方法を確認しています。
ファクトリーでは手作業での芽取り作業や製造工程を、店舗では素材の美味しさを前面に出した販売方法を見ていただき、お互いの顔が見えることで信頼関係を築いています。

○ 農業祭への出店、勉強会の実施

毎年秋、端野町で開催される「端野農業物産フェア」に神戸コロッケを出店しています。生産者の方々が丹精込めて育てた男爵イモの美味しさを地元の皆さんに味わってもらうため、毎年参加しています。開店前から長蛇の列ができ、あっという間に売り切れてしまうほどの人気ぶりです。
農業祭の参加メンバーは勉強会を実施し、JAきたみらいの担当者様から端野町との取り組みを学び、産地の方々との交流を深めています。