気候変動への対応

TCFD提言に基づく開示

当社は、1991年に「人にやさしく 自然にやさしく 地球にやさしく」をテーマに静岡ファクトリー第1棟を竣工し、理念に基づき当社が大切にする価値観として「環境」を掲げ、過去から継続して環境保全の取り組みを行ってきました。

当社が事業で用いる原材料、エネルギーはすべて自然の恵みを受けたものであり、気候変動は当社にとって重要な課題であるとの認識のもと、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同し、2021年よりTCFD提言に基づく分析を実施しています。

温室効果ガスの排出低減

再生可能エネルギーの活用と脱炭素化への取り組み

静岡ファクトリーでは2基(定格出力300kW/基)の風力発電機のほか、2020年10月に太陽光発電設備(発電能力138kW)を新設しました。そして、2025年6月に太陽光発電設備(発電能力500kW)を増設し、環境配慮型ファクトリーとしてさらに進化しました。風力と太陽光の2つのクリーンエネルギーを活用し、最大時には静岡ファクトリーの総使用電力の12~15%を賄っており、年々上昇するエネルギーコストの抑制につながっています。
また、神戸ヘッドオフィス・ファクトリーと玉川ファクトリーではカーボンオフセット都市ガス*1や、環境対応型電力*2を使用しています。そして、静岡ファクトリーでは2023年8月に県内の水力発電由来のCO2フリー電力「静岡Greenでんき」*3の使用を開始しています。
当該事業所におけるガスと電気、それぞれの使用に係るCO2排出量を実質ゼロとしているほか、エネルギーの地産地消に貢献しています。

*1カーボンオフセット都市ガスとは、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスを、環境保全プロジェクトにより創出されたCO2クレジットで相殺することにより、地球環境ではこの天然ガスを使用しているCO2が発生してもCO2が発生しないとみなされる都市ガスのことです。

*2環境対応型電力の内訳は、風力発電や水力発電、バイオマス発電、地熱発電、太陽光発電などの再生可能エネルギー由来の電力のほか、再生可能エネルギー由来の非化石証明書やJ-クレジット等の購入で対応しています。

*3「静岡Greenでんき」は大井川・天竜川・富士川・安倍川の各水系の豊かな水源からうまれた水力発電由来の地球にやさしい静岡県産のCO2排出ゼロの電気です。

氷蓄熱システムの活用

1991年の静岡ファクトリー竣工時から氷蓄熱システムを導入しています。電力使用量の少ない夜間に氷を作り、昼間にその氷を溶かして昼間の使用電力量を削減しながら冷水を供給しています。下処理・カットを終えた野菜を洗浄し冷やしこむ際に使用しています。

この取り組みが評価され、財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターが主催する「第12回蓄熱のつどい」において、蓄熱システム普及に向け貢献している企業として、感謝状受賞企業に選ばれました。現在では、この氷蓄熱システムの考え方を、神戸・玉川ファクトリーにも導入しています。